中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

クラウドファンディングはネット通販じゃないよ!

 

スポンサードリンク

新たな資金の調達手段として、ここ1~2年の間にがぜん注目を浴びている『クラウドファンディング』

すでに国内では、様々なクラウドファンディングサイトが立ち上がっています。

国内No.1のクラウドファンディングサイトと言えば『READYFOR(レディーフォー)』

readyfor.jp

サイバー・エージェント社が運営する『Makuake(マクアケ)』

www.makuake.com

地域を特化したクラウドファンデング『FAAVO(ファーボ)』

このエリアでは、愛知、飛騨に加え、昨年「FAAVO美濃國」が立ち上がりました。

faavo.jp

「女性に夢を実現したい」に特化しているクラウドファンディングサイトもあります。

株式会社ユメココさんが運営している『ユメココプロジェクト』。

project.yume-coco.net

といった感じで、それぞれに特色のあるクラウドファンディングサービスを展開しています。

基本的なクラウドファンディングサービスの流れとしては、

・プロジェクトを立ち上げ募集期間と必要資金額、リターン等を設定

・募集期間中に目標資金額まで到達すればプロジェクト成立

・エントリー者に資金が入金されるとともに、クラウドファンディング企業は手数料を徴収

となり、原則目標金額に達成しなければ資金を得ることができません

 

 

スポンサードリンク

このように、クラウドファンディングの知名度が高まるとともに、身近な企業でもクラウドファンディングを活用して資金を募る事業者が増えています。

その中で気になる動きとして、「クラウドファンディングのプラットフォームを利用して、単に商品を販売したいだけでは?」と思えるプロジェクトがチラホラ見えてきています。

昨年FAAVO愛知にエントリーされた『最高級のあぐらを作り出す「家康将軍座布団・クッション」を商品化へ!』プロジェクトは、残念ながらそんな感じに見えています。

注)特定事業者さんを批判する意図はありませんが、わかりやすく実例として紹介させていただきます。

faavo.jp

徳川家康生誕の地である愛知県岡崎市で事業を営む「ふとんのタツネ」さんは、徳川家の家紋を施した座り心地満点の座布団を開発し、FAAVO愛知にプロジェクトを立ち上げました。リンク先の本文を読むと、商品の魅力や事業者の思いが存分に伝わってきます。

一方で見えてこないのは、「クラウドファンディングで資金を募って、何にお金を使うのか」ということ。逆に言えば、「何を実現するための、資金が不足しているのか?」が明確になっていないように見受けられます。

リンク先ページを見る限り、すでに商品化は終えているようで、リターンは開発した商品となっています。まだ開発途上であったのであれば、今後完成に向けて何が足りないのか、そのためにいくらの資金が必要なのかを明記すべきであったと思われます。

 

「寄付文化」が根付いているとはいえない日本で、「クラウドファンディングサービスは必ず普及する!」と確信をもってREADYFORを立ち上げた米良はるかさんは、こう語っています。

米国と異なり、日本には寄付文化が根づかないというのが定説でしたから、そもそも国内にニーズはあるのかと。でも、私自身はあると確信していました

日本にも「頑張っている人を応援したい」という気持ちを持つ人はたくさんいます。その気持ちが寄付という行為に結びつかないのは、なぜか。

米国に当時200ほどあったクラウドファンディングのサイトを起業前にくまなくリサーチして理由のひとつに気づきました。

日本の従来の寄付の仕組みでは自分の支援が具体的に何に使われたのかが見えにくいことが多く、「誰かを応援できた」という実感が持ちづらい。もっと楽しく支援できる仕組みを作れば、ニーズは必ずあると思いました。

www.works-i.com

内閣府が行った「平成26年度 市民の社会貢献に関する実態調査」によると、「寄付の妨げとなる要因」の一位が「寄付をしても実際に役に立っていると思えないこと」となっています。

f:id:kuon-manage:20160117153753j:plain

また、「寄付を行う場合に必要とされる情報」として、69.2%の人が「寄附によって期待される効果」と答えています。

f:id:kuon-manage:20160117153752j:plain

まさに米良はるかさんがお話ししたことと合致したアンケート結果となっています。

今後クラウドファンディングを活用して資金を募りたいと考えている事業者は、

「クラウドファンディングは、新商品を販売する通販サイトではない」

「大義のある商品(サービス)をこの世に出すために、足りない資金を募る場である」

というクラウドファンディングの原点に立ち返り、大いに活用していきましょう! 

それでは!

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

岐阜県を中心にする中小企業診断士えんさん(遠藤久志)の公式サイトはこちら

http://www.kuon-manage.jp/

Twitterはこちらです。

https://twitter.com/ensan7HDversion

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

 

スポンサードリンク