「新型コロナウイルス感染症対策」福岡市 高島宗一郎市長に学ぶ緊急事態でのリーダーシップとは!?
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目次
緊急事態で高まる地方自治体首長のリーダーシップ
「新型コロナウイルス感染症」拡大に伴い、国(日本政府)のみならず、地方自治体(都道府県や市町村)の首長のリーダーシップに注目が集まっています。
というもの、「新型コロナウイルス対策の特別措置法」においては、国が緊急事態宣言をした場合、”都道府県知事”が住民に対して不要不急の外出を自粛するよう「要請」できるほか、事業者などに対して店舗や施設の使用制限を「要請」できる権限を持つからです。
「緊急事態宣言」を受けて、住民に対してどのような「要請」を行うのかという判断を知事が行う必要があることから、今まで以上に「的確な判断力」と「情報発信力」が問われる事態となっていると言えます。
福岡市長高島宗一郎による動画メッセージは?
そのような中、福岡市の高島宗一郎市長が福岡市のYoutube公式チャンネルを通じ、本日(4/25)の朝、市民に向けて直接メッセージを発しました。
まずはこちらの動画をご覧ください。
こちらに、緊急時に発揮すべき地方自治体首長が発揮すべきリーダーシップの要素がすべて入ってきていると感じました。
緊急時に地方自治体首長が発揮すべきリーダーシップの要素とは?
高島市長の動画を見て、私が感じた「緊急時に地方自治体首長が発揮すべきリーダーシップの要素」は、以下の通りです。
- 事実(ファクト)に基づいた的確な現状認識
- あくまでポジティブに!「小さな成功」で元気づける。
- 自身の強みを生かした情報発信力
- 市民に行動を促すシンプルなメッセージ
事実(ファクト)に基づいた的確な現状認識
「リーダーシップ」というと、「俺についてこい!」というような親分肌気質を連想する方もおられるかもしれません。
しかし、住民の暮らしや産業・経済、医療・福祉など多岐にわたる分野で責任を持つ地方自治体首長は、緊急時と言えども適度なバランス感覚が求められます(バランス感覚があればよい、という話ではなく)。
判断を誤らないための出発点は、「事実(ファクト)に基づいた的確な現状認識」です。
また、後に述べる「市民に対するメッセージ」をより効果的にするためにも、「事実(ファクト)に基づく」ということは重要な要素となります。
単に「外出自粛してください!」と言うだけでは、説得力に欠けてしまいます。
今回の動画で高島市長は、「感染者は累計で311人」「うち退院者を除くと現在251人の感染者がいる」という事実や、「男性は40代~50代、女性は20代~30代の感染者が多い」といったことを、グラフを用いてわかりやすく説明しています。
あくまでポジティブに!「小さな成功」で元気づける。
今回のコロナ対策のように「先が見えない戦い」を強いられることは、私たち一般市民にとっては不安に包まれるばかりです。
そのような局面においてリーダーは、「あくまでポジティブに!」、そして「小さな成功で勇気づける」ことが非常に大切になってきます(「勇気づけるだけの事実」があることが前提になりますが)。
ちなみに福岡市の最新状況について高島市長は、自粛要請以降の市民の行動によって「新規感染者が減少した」という事実を示しています。
まだまだ「新規感染者数ゼロ」ではないものの、「自粛によって着実に減少している」ことが実感できれば、市民としても「もう少しがんばろう!」という気になりますね。
また、「あくまでポジティブに」というのも重要です。
高島市長は、特定エリアからクラスターが発生しても、「コロナを憎んで人を憎まず」の精神で、決して感染してしまった人を責めたり、否定的な表現を使ったりすることがないよう、気を配っていることがわかります。
しかし「問題」は「問題」として認識していただくため、事実はしっかり提示する必要があります。
高島市長は、福岡市での感染者の特徴として男性が80%、「経営者・役員等」が34%、「会食・接待を伴う飲食」が38%を占めていたという事実を、まずは提示しています。
とはいえ、決して「接客を伴う夜のお店」に行ってしまった男性(特に経営者・役員層)を責めることはしません。事実は事実として示しつつも、
その後の新規感染者が減った事実をもって、外出の自粛や夜の行動を控えることの成果が出ていたことを強調しています。
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自身の強みを生かした情報発信力
今回のような緊急事態、過去においても震災や洪水、台風など自然災害の際に頼りになるのは、「地方自治体の首長自らによる情報発信」です。
もちろん、行政のホームページを覗けば色んな情報が転がっています。
しかし、そもそも「そのサイトの存在を知らない」、「書いてあることが難解でわかりづらい」と感じている方が、大多数ではないでしょうか。
そこで頼りになるのが、首長自らによる「情報発信」!
高島市長は、前職が民放(九州朝日放送)のアナウンサーだったということで、動画による情報発信は、まさに「自身の強みを生かした情報発信」の手法と言えるかと思います。
ちなみにキャスター出身の東京都小池知事も、毎日東京都のYoutubeチャンネルで情報発信をされています。最近は、かなりお疲れ気味なのが気になることですが・・・。
たとえキャスター経験がなくとも、「今、地域住民に対して正確な情報と思いを届けたい」という思いがある首長の中には、動画を通じて自らの肉声でメッセージを発信されている方もおられます。
私の知るところでは、岐阜県飛騨市の都竹淳也市長。
SNS、特に速報性と拡散性に優れるTwitterは、今回も有効なツールとして大いに力を発揮しています。
今回も、大阪府の吉村知事や千葉市の熊谷市長は、迅速かつ的確にTwitterで継続的な情報発信をされていると感じます。
一方で、今回のような緊急事態で残念な首長も各地で見られました。
「情報発信」の前提となる「的確な事実把握と現状認識」が欠けていたと言わざるを得ません。
例えば、3月上旬に大阪ー兵庫間の往来自粛を呼びかけた大阪府吉村知事に対して「大阪はいつも大げさ」と事態を軽く見ていた、兵庫県の井戸知事や、
首都圏で感染者が増加し始めていた時期に、「息抜きは石川で」、「交流を増やすのは地域を活性化させる」と呼びかけた石川県の谷本知事など。
年代で一律に語るのは乱暴な話ではありますが、今回のような非常事態においては、比較的若い首長ほど的確な判断や情報発信ができている印象です(あくまで私がキャッチした範囲での情報の限りでは)。
市民に行動を促すシンプルなメッセージ
「現状を正しく分析する」までが仕事なのは、評論家や専門家。
行政の首長はこうした現状を踏まえ、市民に行動を促さなくてはなりません。
今回であれば、「引き続き自粛を継続していただくこと」。
「3密(密閉空間、密集、密接)」という言葉はだいぶ浸透してきました。
しかしゴールデンウィークを間近に控え今後私たちはどのような行動をすべきか(しないべきか)について、高島市長は具体的にわかりやすいメッセージを発しています。
具体的には、GW中に東京や大阪に行くこと、遠方に住んでいて福岡に規制しようと考えている人に対して、行動の自粛を呼び掛けています。
まとめ
今回は、福岡市の高島市長の動画を見て、「緊急時に求められるリーダーシップ」について考えてみました。
この「リーダーシップ」は決して、地方自治体の首長だけが備えるべき資質ではありません。
経営者をはじめとしたあらゆる組織の長の方は、「緊急時に必要とされるリーダーシップ」について、高島市長から学ぶことは大いにあることと思います!
それでは!
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