オリンパス OM-D「E-M1 Mark III」レビュー!E-M1 markⅡとの比較・おすすめポイントは?
2020年2月28日、オリンパスのミラーレス一眼「OM-D」シリーズのフラッグシップ機、E-M1 Mark IIIが発売されました。長年にわたって前機種E-M1 markⅡユーザーだった筆者が、E-M1 Mark IIIとE-M1 markⅡとを比較してのレビュー、おすすめポイントを書いてみたいと思います!
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目次
- 目次
- OM-Dシリーズとは?
- E-M1 Mark IIIとは?
- スペックから見たE-M1 Mark IIIとE-M1 markⅡとを比較
- 外観の比較
- 作例
- 【まとめ】E-M1 Mark IIIは買いか!?
- デメリットは?
OM-Dシリーズとは?
「OM-Dシリーズ」とは、オリンパスのミラーレス一眼のうち、センター上部にEVF(電子ビューファインダー)がついた製品群を指します。ちなみにオリンパスのもう一つのブランド「PENシリーズ」には基本EVFはありませんが、例外的に「PEN-F」のみ左上部にEVFを備えています。
私は知らない世代ですが、オリンパスはかつて「OM-D」のブランド名でフィルムカメラを発売していたようです。OM-Dシリーズの製品群は、当時のフィルムカメラ「OM-D」を思わせるレトロなデザインが人気となっています。
E-M1 Mark IIIとは?
E-M1 markⅢは、OM-Dシリーズの”フラッグシップ機”に相当します。
下位機種にエントリーモデルのE-M10シリーズ、中位機種のE-M5シリーズがあり、いずれも最新機種はすでに3代目(markⅢ)になっています(別格で縦グリップ一体型のE-M1Xという機種がありますが、ここでは紹介を割愛)。
初代E-M1が2013年10月に発売、E-M1 markⅡは2016年12月に発売されているので、今回のE-M1 markⅢ発売はほぼ同じペースの3年強での発売となりました。
発売直後の価格は20万円弱。前機種E-M1 markⅡは、発売直後の価格が20万円を超えていたので、若干お買い得になったと言えるでしょう。
スペックから見たE-M1 Mark IIIとE-M1 markⅡとを比較
まずは前期種「E-M1 markⅡ」との比較を交えて、スペックを見ていきたいと思います。
E-M1 markⅢ | E-M1 markⅡ | |
有効画素数 | 2,037 万画素 | 2,037 万画素 |
形式 | 4/3型 Live MOS センサー | 4/3型 Live MOS センサー |
画像処理エンジン | TruePic IX | TruePic VIII |
連写撮影 | 連写H:約15コマ/秒 (静音連写H:約60コマ/秒) |
連写H:約15コマ/秒 (静音連写H:約60コマ/秒) |
専用電池型番 | BLH-1 | BLH-1 |
撮影枚数 | 液晶モニタ使用時:420枚 | 液晶モニタ使用時:440枚 |
スロット | ダブルスロット | ダブルスロット |
防塵防滴 | 〇 | 〇 |
手振れ補正機構 | 5軸手振れ補正 | 5軸手振れ補正 |
手ぶれ補正効果 | 7.0段(12-100mm/F4使用時7.5段) | 5.5段(12-100mm/F4使用時6.5段) |
瞳優先 / 顔検出AF | あり(検出能力や精度などが向上) | あり |
可動式モニタ | 2軸可動式液晶(バリアングル液晶) | 2軸可動式液晶(バリアングル液晶) |
電子ビューファインダー | 236万ドット | 236万ドット |
液晶モニター | 3インチ、104万ドット | 3インチ、104万ドット |
マルチセレクタ | 〇 | × |
内蔵フラッシュ | なし | なし |
USB給電 | 〇 | × |
4K対応 | 〇 | 〇 |
幅x高さx奥行き | 134.1x90.9x68.9 mm | 134.1x90.9x68.9 mm |
本体重量 | 504g | 498g |
ハイレゾショット | 最大80M画素相当 | 最大50M画素相当 |
手持ちハイレゾショット | 〇 | × |
結論から言うと、E-M1 markⅡと比較して「ほとんど同じ、若干の変更箇所(進歩)あり」、というのがE-M1 markⅢのスペックとなっています。
3年余りの期間を経て、「あまり進歩がない」という感想をネット上で多く見かけましたが、私もそうした感想を抱いたうちの一人です。逆に言えば、それだけE-M1 markⅡが革新的な機種だったと言えるかもしれません。
外観の比較
ちょうど手元にE-M1 markⅢとE-M1 markⅡがありますので、外観比較をしてみたいと思います。まずは正面から。
サイズ、デザインは全く同じ。「E-M1 markⅢ」のロゴが正面に配置されているので、辛うじてそこで区別ができます。
お次は上部に注目。
グリップ形状もまったく同じです。上部をよく見ると、ホットシューカバーがシルバーになっています(E-M1 markⅡはブラック)。
モードダイヤルは、アートフィルターやiAutoがなくなり、かわってカスタマイズ用の「C4」まで設定できるようになりました。一層、「プロ機」の色合いを強くした印象です。
お次は背面に注目。
今回新たに、「マルチセレクター」が配置されました。これに伴い、「Menu」ボタンは左側に追いやられる形となりました。
マルチセレクター部を拡大。こちらでオートフォーカスポイントをダイレクトに移動させることができるようになりました。
メニューボタンは左肩に。
比較的使用頻度の高いボタンではありますが、撮影中というよりもモニターをもながら設定する際に使うボタンなので、位置が変わってもさほど影響はないものと思われます。
グリップを握ったところ。私の手だとちょうどいい感じです。手が大きい人だと、少し小指が余るかもしれません。
重量はE-M1 markⅡから6gだけ重くなりました。持った感じ、少し重さが増したことを感じます。
SDカードスロットは、当然のことながらダブルスロット。
バッテリーとバッテリーチャージャーはE-M1 markⅡと全く同じです。
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作例
2月末に購入後、近場で試し撮りをしてみましたので、いくつか作例を紹介したいと思います!
40-150mm/f2.8で撮影。
12-100mm/F4.0で撮影。このレンズ、やはりキレがいいですね。
同じく、12-100mm/F4.0で撮影。
こちらも、12-100mm/F4.0で撮影しました。
こちらは45mm/F1.2で撮影しました。
プロキャプチャーモードも試してみました。
鴨が立ち上がる前にシャッターを半押し、立ち上がった瞬間にシャッターを切ると、14コマ前から遡って記録されます。
個人的には頻繁に使う機能ではありませんが、鳥などを撮影される人には便利な機能だと思います!
【まとめ】E-M1 Mark IIIは買いか!?
スペック表でも見ていただいた通り、ほとんどの項目でE-M1 markⅡと同じですが、変更点(進化点)がないわけではありません。
以下の進化点に強く惹かれるのであれば、「大いに買う価値あり!」といえるでしょう。
①さらに強力となった手振れ補正
元々、手振れ補正の強さには定評があったオリンパス。
E-M1 markⅡが5.5段分であった手振れ補正効果が、7.0段に!12-100mm/F4.0使用時には7.5段分まで効果を発揮する驚異的な仕様となりました(E-M1 markⅡは6.5段)。
暗いところでの風景撮影や、川や滝の水流を表現したいシチュエーションなどで重宝するかと思います。
②手持ちハイレゾショット
ハイレゾショットとは、「0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら、8回撮影した画像をもとに生成する」という考え方でつくられる高解像度画像のことです。
ハイレゾショットは、オリンパスがE-M5 markⅡで初めて実現した機能です。E-M1Xに続いてE-M1 markⅢでも、これを手持ち撮影できるようになりました。
こちらが通常モードで撮影した画像。
これを等倍以上に拡大すると、クモの糸がぼんやり見えます。
ハイレゾショットで撮影した画像を、同じくらいに拡大してみると・・・
PCのモニターであれば、クモの糸がはっきり見えるのがわかるかと思います(スマホからだと判別しづらいかも)。
E-M1 markⅢ、E-M1 markⅡとも通常モードの画素数は約2,000万画素。特大紙面への印刷やトリミングでの利用の際には、ハイレゾショット機能が重宝されるでしょう。
③マルチセレクタによるAFポイントの移動
前半でも紹介したように、従来から要望が多かったマルチセレクタが搭載されました。
「AFを素早く移動したい」というニーズに応えた、操作性の向上と言えます。
④顔認識・瞳AF
今回私がもっとも注目したのが、こちらの顔認識・瞳AFの機能向上。「顔認識・瞳AF」そのものは以前からありましたら、それが一層強化されたということです。
試しに小さな人形を映してみたところ、しっかり顔認識し、瞳にAFポイントが食いついています。
いったん顔を認識してしまえば、ある程度動いても喰らいついてくれます。
斜めにしても、瞳AFがついてきてくれます。
横顔になると、さすがに瞳AFは外れますが、顔認識は生きています。
⑤発売時直後としては高すぎない価格
最後に価格面ですが、発売直後の価格(ボディ)が19万円台。
決して安くはない価格ですが、E-M1 markⅡは発売直後に20万円を超えていたことを考えると、「高すぎない価格」と言えるかと思います。
デメリットは?
ここまで、E-M1 markⅢのメリット(進化点)について述べてきましたが、敢えてデメリットも書いてみます。
- 少しだけ(6g)重くなった。
- アートフィルターがモードダイヤルから削除された(一段奥に)。
- ロゴが前面に出て、カッコ悪い。
これらのデメリットが許容できれば、元々オリンパスが持っていた強みである
- 強力なダストリダクション機能
- 信頼できる防塵防滴性能
- Proレンズによる解像感あふれる抜けの良い画像
というメリットも相まって、非常に魅力的な機種であることは間違いありません!
※ちなみにE-M1 markⅡも併売されています。単価はだいぶ下がってボディは12万円台、中古なら10万円前後で購入できるので、こちらをお値打ち価格で入手するのもありかと思います。
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