デジタル一眼はビデオカメラを席巻するか!?
このブログで好んで取り上げる題材に、デジタル家電がある。
個人的に興味のある分野であることに加え、技術革新のスピードが速く、グローバルな競争下の中で目まぐるしく勝者・敗者の勢力図が変わる点が、外側から見ていて興味深いからである。
例えば、数年前には「勝ち組」の代表格であった任天堂も、今やスマートフォンなどを通じたお手軽ゲームの脅威にさらされ、赤字転落の危機に瀕している。
参考) 2011年7月29日 (金) 「代替品の脅威」に苦しむ任天堂
http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-5a01.html
今回の興味深い話題はこちら。
「キヤノン、スーパー35mmCMOSビデオカメラ「EOS C300」-実売150万円。映像制作市場に本格参入。4Kモデルも 」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20111104_488632.html
キヤノンが2008年11月に発売した「EOS 5D Mark II」は、フルハイビジョンの動画が撮れるデジタル一眼として、アマチュアのみならずプロにも注目される機材となった。
発売から3年が経過しようとしてるにもかかわらず、「価格.com」の売れ筋ランキングではなんと4位にランキングしている(デジタル一眼部門にて、11月5日現在)。
デジタル一眼による動画撮影は、従来のビデオカメラと何が違うか?
ひとことで言うと、一眼の世界では当たり前の「レンズ交換」が動画撮影でも可能となり、被写体深度が浅い、いわゆる”背景ボケ”の動画撮影が、いとも簡単に実現できるようになったことである。
例えば、こんな感じ。
※全画面・ハイビジョンモードで見ると、画質の良さが堪能できます。
ボディだけで20万円超と、一般消費者にとっては決して安い価格ではないが、従来のプロユースのビデオカメラから考えると、価格と重量(軽さ)は「驚異的!」と評判を呼んだ。
今では、CM撮影やプロモーションビデオ、さらには低予算の映画撮影にも、この「EOS 5D Mark II 」が活用されているという。
例えば、AKBのシングル「10年桜」のPVで、「EOS 5D Mark II 」が使用され、業界内では話題を呼んだ。
参考)
イベントレポート『EOS 5D Mark II でミュージックビデオを撮る! Mashup Photo-Video Vol.1』
http://www.genkosha.com/vs/news/cat689/entry/eos_5d_mark_8.html
今や、デジタル一眼のほとんどの機種が、「フルハイビジョン動画」の撮影が可能となり、アマチュア動画撮影のジャンルにおいても今までのファミリー向け用途(運動会や学芸会など)にとどまらない、”新たな需要”を生み出している。
例えば、こちらはPanasonicのGH2を使用した、一般の方の作品例。
まさに、ドラッガー先生の言うところの、「マーケティングとは顧客の創造」の一例である。
そのような流れを受けて、ついにキヤノンはハリウッドの要求水準に応えるビデオカメラの開発に成功した。
従来のビデオカメラメーカーにとっては、まさに”代替品の脅威”である。
「デジタル一眼」対「ビデオカメラ」、この戦いには、今後も注目していきたい。
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