中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

初代「国家戦略局担当大臣」の名が廃る!

 予想されたことだが、財源の裏づけなき「マニフェスト」を掲げて政権を奪取したものの、ここに来て、その実現性に黄信号が灯って迷走を余儀なくされている鳩山政権。

 迷走の原因は、トップである鳩山由紀夫首相のビジョンのなさ、リーダーシップのなさにあるのは明々白々である。今や、自身の「子ども手当て」や「普天間」を巡る首相のコメントはファンタジーの域に達しており、もはや論評するのさえ馬鹿馬鹿しい。

 リスクマネジメントのスペシャリストである先輩診断士のブログでは、

 「母親からの巨額な送金を知らなかったなんて常識ではありえないことを指摘された時の答弁だ。ここだけ、語気を強めて大見えを切っていた。これはコメディかと思わせる答弁。「私が確かに見たんだから、UFOは存在するんです」というオカルトマニアと同じレベルだ。」

 と皮肉った上で、

 「脱税を指摘され続ける鳩山総理としては、知らなかったで押し通すしかないのだろう。 脱税犯を逃れるために、自分の資金の流れも把握していないボンクラであることを主張せざるを得ないとは、異様な光景である。自分の政治資金収支報告書を十数年間見たことがないとも答弁している。」

 という解釈をして、首相の置かれた立場に理解を示しつつ(?)も、

 「本当に自分はボンクラであることを信じてもらおうとしているようだ。たしかに、総理がボンクラであることは犯罪ではない。犯罪ではないというだけで、このまま放置していていいのか。」

 と、時に首相が「自身はボンクラである」ことを押し通そうとする姿勢に対して、大いに疑問を投げかけている。

『自分はボンクラであることを強弁する総理』

http://hiraki.seesaa.net/article/139395005.html

 こんなときこそ、首相を支える腹心の力量が試されるわけだが、(表向きは)鳩山政権のナンバー2、菅 直人副総理(兼財務大臣、経済財政政策担当大臣)の言動を見る限り、鳩山政権の政権担当能力に対して、大いに疑問符をつけざるを得ない。

 時事通信の配信記事によると、

 「菅直人副総理兼財務相は20日、東京都町田市のJR成瀬駅前で演説し、子ども手当について「たくさん収入のある方には少し率として多めに税を払っていただき、そういうお金を子ども手当で応援に回していく」と述べ、所得税率の見直しで財源を確保していく考えを明らかにした。」

 と、菅財務相所得税に関して最高税率を引き上げる意向を示したと言うことだ。

子ども手当所得税増税で=財源確保へ最高税率見直し-菅財務相

2月20日(土)20時1分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20100220-00000095-jij-pol

 果たして、今の所得税累進課税が適切かどうか、それに対して私は確固たる意見を持っているわけではない。しかし上記の発言を読む限り、菅副首相が歳入から歳出に至るまでの、税制に対するトータルのビジョンを何ら示すことなしに、単純に「子ども手当て」の財源確保のために「所得税の累進税率のアップ」を示しているようにしか見えない。

 つまり、マニフェストに掲げた以上は、「子ども手当ては満額支給したい。」、「しかしこの4年間は消費税率を上げないことも約束してしまった。」、「仕方がない、所得税アップで子ども手当ての財源をまかなおう。」というわけだ。

 果たして、こんな「場当たり的」発想で、税制をいじって良いものか?少なくとも、彼は現在「財務大臣」であり、「経済財政政策担当大臣」である。さらに言えば、9月16日の鳩山内閣発足から約4ヶ月の間は、新たに設置された「国家戦略局」の担当大臣であったはずだ。

 本来ならば、中長期的視点・大局的視点から「税のあり方」を考えなければならない立場にある者が、このように「近視眼的」な視点からしか発言ができないのは、甚だ憂慮すべきことである。

 彼女の「え~・・・。」という不安を吹き払うだけの政権運営能力が鳩山政権にはあるか?少なくとも「子ども手当て」の財源欲しさに所得税率の見直しに着手するのであれば、いま一度国民に選挙で信を問うべきであろう。

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