『会社に人生を預ける』若者たち
たびたびこのブログで取り上げているフレーズであり、勝間和代氏の著書名でもある『会社に人生を預けるな』。
私は、その考えに全面的に賛同する。その理由は、2年前のブログ記事にすでに書いてあった。その要点を述べると、以下のとおり。
「個人のライフサイクルは長期化する一方、企業・製品のライフサイクルは短期化し、人の人生よりも短くなりつつある。戦後から数十年間は、幸運なことに個人のライフサイクルよりも企業のライフサイクルのほうが長かったため、定年まで一定のスキルで何とかやていけるだろう、という安心感があった。
一方現在は、企業が安定的に収益を上げ続けられることは益々困難となり、個人においても「この会社に勤めれば、このスキルを身につければ一生安泰」といえる時代はもはや終わった。」
参考ブログ)不透明な時代 2007年1月 4日 (木)
http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_789b.html
にもかかわらず、若者の間では「終身雇用」志向がますます強まっているという。日本能率協会が毎年新入社員を対象に行っている調査によると、今春に入社した会社に「定年まで勤めたい」と答えたのは何と42.9%!昨年の33.4%から急増し、過去5年で最高となった一方、「いずれは転職したい」が7.6%、「いずれは独立したい」は5.6%といずれも過去最低を記録したという。
残念ながら、彼らがいくら希望しようとも、彼らが定年になるまで、企業が今の雇用を保持し続けられる可能性は低い。
あれだけ賞賛され続けたトヨタでさえ2期連続の赤字が確実、しかも現在の舵取りでは3期連続赤字も危ぶまれる状況である。さらに本日、近年の勝ち組企業であり、中部地域に大きな雇用をもたらしたシャープが、近い将来に亀山から工場を撤退させることを明らかにした。
<シャープ>亀山第2も海外移設 国内生産は堺工場に集約
5月14日2時30分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090514-00000008-mai-bus_all
これらのニュースを見るだけで、向こう40年安泰などという会社はありえず、それどころか10年先でさえ見通せない状況だ。確実にいえるのは、今まで日本経済を牽引してきた輸出産業が、米国のバブルと人為的に作られた円安によって、一時的に勢いを取り戻したものの、これらの前提条件が崩壊したことで、本格的な産業構造の転換が、今まさに迫られてきている、ということだ。
このような時代に、「一生会社に面倒を見てもらおう」という思考の社員が増えれば増えるほど、企業としては競争力が失われる。自分を捨てて滅私奉公すればするほど、皮肉にも会社に捨てられるリスクが高まる、ということだ。
どうすれば、そのリスクから回避できるか?正解が転がっているわけではないが、確実に言えることは、『会社に人生を預けるな』。ここからすべてが始まる、ということだ。
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