中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

『Youtubeネイティブ世代』にテレビの不自由さは受け入れられない。

 

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「モノごころついたときからパソコンやインターネットがある」という世代をデジタルネイティブ、「モノごこごろついたときからスマホやタブレットがある」世代をスマホネイティブなんて呼びます。この流れで言うと、「モノごころついたときからYoutube(ユーチューブ)がある」世代は、Youtubeネイティブと言えるのではないでしょうか。

 

テレビはかつて、娯楽の王様でした。
7時から9時ころを「ゴールデンタイム」と言い、お茶の間(死語?)の家族団らんの真ん中にはテレビがありました。
私が子どものころの人気番組といえば何といっても『8時だョ!全員集合』。
最高視聴率は、何と50.5%だったそうです!


しかし、そんな「娯楽の王様」であったテレビは、Youtubeネイティブにとっては必要不可欠なモノでなくなってきています。

www.garbagenews.net

上記サイトに示されたグラフによると、テレビの年代別視聴時間、60代が平均で256.4分(4.3時間)に対し、20代は118.9分(2時間弱)、10代に至っては91.8分(1.5時間)と60代の3分の1に過ぎません!

そんな若者の、テレビに対する興味深いインタビューがありましたので引用。

普通の大学生に聞いてみました。「普段、テレビ観てますか?」

K:うーん、私も不思議なんですけど、面白いテレビ番組って、夜の早い時間にやってるじゃないですか?その時間って、自分がバイトや友達と会ったりしていて、一番忙しい時間なんですよ。
テレビ局の人ってなんで、わざわざあの忙しい時間に観たい番組、流すんですかね?
――いや、それいわゆるゴールデンタイムっていう時間帯でして、テレビ局の人がよかれと思って強力な番組を集中して流してくれているんですよ(笑)。
I:その感覚が、僕らとは少しずれているかも。19時~22時頃って、それこそ他のことで一番忙しい時間じゃないですか。観たい番組があっても観れない。だから後からネットで探すしかないです
N:あと、僕が、リアルタイムでテレビを観なくなった理由は一言で言うと、「効率が悪い」から、なんです。時間を、効率的に使いたいんですよ。

つまり、テレビは観たい番組・面白そうな番組であっても、彼らにとっては時間指定であることが不便であると。リアルタイム視聴よりも、観たい時に観たい箇所だけコンテンツを楽しみたい、というのが本音のようです。


私も、大いに賛同します!私の場合、普段観るテレビ番組は、基本ニュースやスポーツなど生番組だけ。連続ドラマは毎週同じ時間帯にいなくてはいないので、パスしています(半沢直樹は、ラスト3回だけ見た)。テレビ東京の『ガイアの世明け』や『カンブリア宮殿』は、月額500円の『テレビ東京ビジネスオンデマンド』で観ています。

txbiz.tv-tokyo.co.jp

そもそもテレビのない時代、お笑いは演芸場に、音楽はコンサートホールに、映画は映画館に、プロ野球は野球場に行かなくてはならないところ、テレビの登場によって様々なコンテンツを自宅で楽しむことを可能としました。つまり、「移動」の不自由を解消したことによって、テレビは大衆から熱烈な支持を受けました(スポンサー制度という極めて優れたビジネスモデルによって)。

しかし、テレビ番組は長らく、「その時間にテレビの前にいないとコンテンツを楽しめない」という不自由さを長らく抱えたままでした(ビデオデッキの登場で、「いつでも観れる」は実現したものの、録画の手間がかかる上、テレビがないと観ることができない点は変わりません)。

しかし、Youtubeの登場で事態は変わりました。すなわち、「いつでも」、「どこでも」、「好きか箇所だけ」コンテンツを楽しめるようになったのです(著作権の問題は横に置いておいて)。

『Youtubeネイティブ世代』には、「特定の時間に」・「テレビ受信機の前でのみ」・「パッケージ化されたコンテンツを提供する」という、テレビの不自由さは受け入れられないのです。
こうしたユーザーの変化に、眉をひそめていてもどうにもなりません。テレビ関係者は、それを前提として新たなサービス提供の開発していく必要があるでしょう。