「クックパッド」VS「楽天レシピ」にみるSNS成功の秘訣
今や、取引高1兆円を突破したネット通販サイトのガリバーといえば「楽天」。
インターネット通販のみならず「楽天トラベル」や「楽天銀行」など、インターネットと連動して様々なサービスに参入してきている。
その一つとして、臆面もなく「クックパッド」を模倣したと思われるサービスが、昨年10月に開始したサービス「楽天レシピ」である。
どの媒体だっかた忘れたが、「資本力もあり既存会員も多数抱えている楽天に参入されればクックパッドなどはひとたまりもない」、という文書を読んだ記憶がある。
今回たまたま検索したら、参入直後の「楽天レシオ」関係者のインタビューを見つけた。
参考) 「年内にクックパッド抜く」--楽天レシピ、ポイント連動で攻勢
(2011年1月26日)
http://japan.cnet.com/news/business/20425484/
ところが、である。
あれから一年が経過したが、意外にも「クックパッド」が大健闘している。
下記記事によると、クックパッドの推定ユニークユーザー数は1600万人であるのに対し、楽天レシピの推定ユニークユーザー数はわずかに140万人。
下記サイトでは、「楽天レシピがクックパッドに勝てる気配は見られません。」との断定されてしまっている。
http://hiromikubota.tumblr.com/post/12920370524/the-reason-rakuten-recipe-cant
その分析は大変興味深く、またSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用したビジネス展開において、非常に参考となる事象であると思われる。
「楽天レシピは楽々クックパッドを抜く」と予想された最も大きな要因は、(上記2つの記事にも書いてある通り)、約7000万人という会員と「楽天スーパーポイント」という、金銭的な動機づけである。
一方で、クックパッドに投稿するユーザーの動機は、
・「みんなにレシピを知ってもらいたい」
・「紹介されたレシピで実際に作ってみたことをお知らせしたい」
・「自分の紹介したレシピを参考としてもらってうれしい」
といった、純粋な”共感”であるように思える。
この記事をフェイスブックで紹介したら、カラーコンサルタントをやっている友人が下記のような分析をしていただいた。
「K社(クックパッド)は、比較的穏やかで、ずっと見ていて疲れない色使いです。
R社(楽天レシピ)は、勢いはあるのですが、特売売り場のような落ち着かない色使い。」
「私も友達もK社のしくみはUPする方も、調べる方も利用しています♪
なぜかといえば、わずかなインセンティブよりも、自分がどことつながっているかのほうが重要だからです。」
「K社は、お客様=お料理が好きで、誰かとそれを分かち合いたい人ということと、彼らが好きなこと望むことをよく知っているのが画面から伝わります。
R社は、レシピのサイトなのに、「ポイント」の言葉の多い事!!なんかやるべきこと違いませんか??」
実際の利用者としての実感も含め、非常に鋭いご指摘であると思う。
今年は、「Facebookl元年」と呼ばれるほど、Facebookが本格的に普及した。
特に、個人よりもむしろビジネス界で広がりを見せる中で、「Facebookで売上を伸ばす!」という思いの事業者は多いと思われる。
しかし、あからさまに「儲けたい」という思いを前面に出すと、決してうまくいかない。
SNS成功の秘訣(失敗しないコツ)は、「クックパッド」が大いに示している。
今年の漢字にも選ばれた、「絆」。
それがSNS活用にとっていちばん大切だということだ。
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