中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

鳩山首相は最後のチャンスも逃した。

 不気味なほど報道されない宮崎県で発生した「口蹄疫問題」。事態は沈静化に向かっているかといえばさにあらず。5月4日時点で2万7千頭東国原知事のブログによると、本日で23例目、殺処分された牛と豚の合計数は何と33,985頭に及ぶという。

http://ameblo.jp/higashi-blog/

 さらに問題なのが、与党たる鳩山政権の無作為ぶり。赤松農林水産大臣はご存じの通り、4月27日時点で東国原知事の支援要請を受けたものの、知ってか知らずかGWは予定通り中米・南米を外遊。帰国はなんと5月8日だという。

参考ブログ)2010年5月 2日 (日)

『宮崎県を放置して外遊に出かけた赤松大臣の大罪』

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-2453.html

 そして行政の長である内閣総理大臣を務める鳩山由紀夫首相。5月4日に沖縄を訪問したものの、そのまま東京にトンボ帰り。「首相動静」を見る限りでは公邸に引きこもり、「口蹄疫」問題に対する具体的アクションを起こす気配は見えない。

 ちなみに本日、「官主導」で「食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会 第12回牛豚等疾病小委員会」が開催されており、「宮崎県における口蹄疫の現状及び防疫対応」について議論がなされている。

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html

 ある意味で「口蹄疫問題」は、支持率低迷に悩む鳩山政権にとっては信頼回復を実現する「絶好のチャンス」だった。もちろん、「普天間問題」を始め、事態収集能力のなさを国内外に知らしめてしまった失点を取り戻すことはもはや不可能である。

 それでもなお、鳩山首相が「いのちを大切にしたい」、「国民の生活が第一」という理念に基づき、迅速かつ的確に「口蹄疫問題」に取り組んでいれば、「外交問題はお粗末だったけど、鳩山首相の思いに偽りはなかったんだ」、という評価も勝ち得たかもしれない。

 しかし、もはや完全にその時期を逸してしまった。鳩山首相の「いのちを大切にしたい」、「国民の生活が第一」という言葉は、表面的なものにすぎなかったことを、図らずも今回の「口蹄疫問題」で証明してしまった。

 そしてこの対応のまずさは、単に鳩山政権の「支持率」の問題にとどまらない。事と次第によっては、JR福知山線脱線事故発生で刑事責任を問われているJR西日本の経営陣同様、「不作為の罪」で訴えられるところまで発展するのではないか。

 今回の問題がこのまま推移すれば(今でも十分深刻なのだが)、畜産業者の生活はもちろん、地元の観光業者、商業者は甚大な被害を受ける。さらには国産牛肉・豚肉を食す国民の家計を圧迫するのみならず、戦後最大の食糧危機を生じさせる可能性がある。考えたくもないが、仮に本州に上陸でもしたとすれば経済活動全体、国民生活全体に甚大な被害を及ぼすことだろう。

 かつて阪神大震災が発生したときの総理大臣である村山富市氏は、「何分初めての経験でもございますし」と答弁して厳しい批判を浴びた。もはや、「初めての経験」という言い訳は通用しない。鳩山政権、特に鳩山首相赤松農相は、今そこにある問題に対して迅速に対処するとともに、対応が遅れたことに対するしかるべき「責任」を取るべきである。それが鳩山内閣に託された、最後の国民への奉仕である。

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