処置なし、鳩山内閣。
サミットでのオバマ大統領との「非公式」会談の記者会見で、「5月末までに私どもが移設先をしっかり決めることに対し、関心を持ってみていただけると思っている」と説明し、オバマ大統領から一定の理解が得られたとの手応えを強調した鳩山由紀夫首相。
しかし、このような甘い自己評価は、相当に米国側と隔たりがあったようだ。米国マスコミの酷評ぶりも容赦がない。14日付の米ワシントン・ポスト紙は紙面で、13日に終わった核安全サミットに出席した36人の各国首脳たちがオバマ米大統領との近さを競い合ったとしたうえで、「このショーの最大の敗北者は断然、哀れでますますいかれた日本の鳩山由紀夫首相だった」と鳩山首相を酷評したという。
『「哀れでますますいかれた鳩山首相」…米紙酷評』 4月15日11時12分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100415-00000362-yom-pol
これに対して平野官房長官は、「一国の首脳に対する表現として、いささか非礼」と不快感を示したというが、その原因が自分らにあることに、どこまでの自覚があるのだろう。
何より注目すべきは、オバマ大統領の鳩山首相に対する言動だ。鳩山首相の「5月末までに決着させたい。大統領もぜひ協力願いたい。」と言葉に対してオバマ大統領は、「しかし何も進展していない。」と反論したという。
これは、キャンベル米国務次官補が「日本政府から今まで受取ったのはアイディアだ。公式な提案は受け取っていない。」という言葉と符合する。地元合意や海兵隊の運用という面から、鳩山内閣が党首討論で谷垣総裁に語った「腹案」は代替案に値しない、と言われたに等しい。
『普天間見直し案、正式提起とみなさず=地元合意・軍の運用に問題-米次官補』
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201004/2010041500160&rel=y&g=int
さらにオバマ大統領は鳩山首相に対し、「きちんと責任を取れるのか」と強い疑問を呈していたという。この言葉は、さらに重い。
『「きちんと責任取れるのか」=米大統領、首相に疑問呈す-普天間移設』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100415-00000097-jij-int
鳩山政権は「日本の防衛がどうあるべきか」という観点を全く欠落させたまま、前政権で交わされた日米間の合意を「白紙」に戻し、沖縄県民の心を弄び、米軍再編にも影響を与えた。
オバマ大統領の言う「責任」とは、もはや鳩山内閣の「退陣」で済まされる問題ではないだろう。鳩山首相が退陣したとしても、少なくとも鳩山内閣の閣僚であれば同じ穴の狢(むじな)と見なされ、米国も沖縄県民も、もはや聞く耳を持たれまい。
鳩山首相は、果たしてどのように「責任」を取るつもりか。残された時間はほとんどない。今後の動きに注視していきたい。
それにしても今日のNHKニュース、トップニュースはメダリストらの園遊会、続いて中国内陸部の地震のニュース。この話題を軽んじているとしか思えない・・・。
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