中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

「エコ」栄えて「国」滅ぶ?-2

 昨日、鳩山総理が居酒屋の窓から、店の前で待ち受けていた記者団に対し、酔っ払った勢いで窓から顔を出し、「宇宙人ですから」などと自身のあだ名を交えつつ話し掛けたと言う。麻生総理であったならば、間違いなく「この厳しい経済情勢の中、酒を飲んで酔っ払っている場合か!」と猛烈なバッシングを受けたに違いない。

 鳩山総理は、「麻生総理のようなバッシングを受けることはないだろう」、という安心感の下、記者たちに話しかけたわけであり、鳩山総理(及び民主党)とマスコミが、いかに「友愛」の関係で結ばれているのか、如実に示す出来事といってよいだろう。

「居酒屋から「宇宙人」=首相、羽目外す」 9月30日9時48分配信 時事通信

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-b63c.html

 そんな鳩山総理の勇気ある発言である「CO2削減25%」に疑念を投げかけたところ、「地球号を救うにはどうしたらよいのでしょうか」、「でもやらなくては地球崩壊でしょ!!!」とのコメントを頂戴した。 

2009年9月27日 (日) 「エコ」栄えて「国」滅ぶ?

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-b63c.html

 そもそも、このままCO2削減の手立てを施さないと、人類および地球は滅びてしまうのか?これに対して、池田信夫氏は、「IPCCの予測でも、100年後に平均3℃程度上がるだけで、人類の生存には何の影響もない。」と指摘している。

 ”IPCCの予測”という但し書きがついているとおり、そもそも「IPCCの予測」はどこまで妥当性があるのか、という議論もある(後段で紹介する)。少なくとも2007年2月に発表されたIPCCの「第4次報告書」によると、「今世紀末には、世界の平均気温が1990年に比べて1.8~4度上昇する」とのことで、これは第3次よりも0.5下がっている、すなわち、予測の精度が上がって最悪のシナリオでも以前に予想されたほど悪くないことが明らかになっているとのことだ。

池田信夫blog 『地球温暖化のメディアバイアス』 2007-02-02

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/f4ebd3172c222e69bc9916e4a87701e8

さらに、「そもそもIPCCの予測は妥当か?」という疑問に対し、地球物理学者の赤祖父俊一氏は、「いま進行している地球温暖化のほとんど(6分の5)は、地球の自然変動であり、IPCCのレポートは重大な誤りがある。」と指摘している。

 赤祖父氏の著書『正しく知る地球温暖化』によると、彼の問題提起に対し、「お前はノーベル賞受賞者のゴア副大統領にイチャモンをつけるのか?」といった感情的な反論があるなど、IPCCの報告書が絶対化されつつある現状を危険視している。

 では、なぜここまでCO2削減が欧米を中心に声高に発せられるのか?麻生総理の「15%削減」発言と、鳩山総理の「25%削減」発言に対する、「海外の環境専門家」の反応から、その裏側が見えてくる。

 経済ジャーナリスト町田徹氏によると、「今年6月に中期目標を公表した際、その目標が海外からの排出権の購入を前提としない、国内における技術開発などの施策だけで目標を達成しようとする「真水ベース」だったことに対し、海外の環境専門家の多くが失望感を隠そうとしなかった」ということだ。

 それに対して、鳩山総理の「25%削減」は、「真水ベース」での実現に限定しておらず、排出権取引も選択肢の一つとして考えている。こうした事情もあって、「海外の環境専門家」は、”鳩山イニシアティブ”を賞賛している、という側面を見逃してはならない。

 町田徹氏によると、「こうした環境原理主義者たちの多くは、中国の大口のCO2排出事業者と連携して、すでに大量の排出権を買い占めているとされる。つまり、将来、日本に、排出権を高値で売却することを目論んでいるとされるのだ。

 こうした金儲け狙いの環境原理主義者たちを儲けさせる義務を、日本が背負う必要などまったくない。本音と建て前をきちんと見分ける眼力は必要だ。日本がいたずらに高い目標を設定することは、そうした金儲け原理主義者たちを喜ばせるだけである」、と警告を鳴らしている。

経済ジャーナリスト 町田徹の“眼” | ダイヤモンド・オンライン

『1世帯36万円以上の最低負担  「温室ガス25%削減」鳩山発言への懸念』

http://diamond.jp/series/machida/10091/?page=3

 欧米も中国も、「CO2削減」という耳障りのよいスローガンの裏側で、国益を見据えたしたたかな経済戦略・エネルギー戦略を構築していることは間違いない。少なくとも日本は、町田氏が指摘しているように、「GDP世界第2位の地位を、今後1、2年のうちに、日本から奪取しようというほどの国力を付けた中国には、日本の高度な省エネ技術を正当な対価を払って導入して貰うべきなのだ」といったように、「国益」も見据えた戦略的な視点も持った上で、環境問題に取り組んでいってもらいたいものだ。

 冒頭で紹介したような「友愛」関係は、国内のマスコミとの間柄だからこそで通じる話しであり、ひとたび海外に出れば、紳士的な笑顔の裏で、「鳩がネギをしょってきた」という思惑が渦巻く戦場であることを、鳩山総理は肝に銘じてもらいたい。

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