中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

「マス」をターゲットにするテレビに未来なし。

 以前のブログで、産業としてのテレビ界における視聴率主義を批判した。一般的に批判されるとおり、昨今のテレビ番組は視聴率を追い求めるばかりに、(「報道」と冠する番組も含め)オールバラエティ化の流れがますます激しくなってきている。

 視聴者を離したくないばかりに、「この後、衝撃の事実が!」、「出演者号泣!」などといった過剰な演出に歯止めがかからず、むしろそうした演出が視聴者離れを促進、昨年はNHKがゴールデンの視聴率NO.1の座を射止めた、というのは皮肉な話だ。

 テレビ業界における視聴率主義の問題について、以前のブログこのように記した。 『「視聴率」は数字で語られてはいるものの、その先に「どのような属性(性別、年齢、ライフスタイルなど)の人が見ているのか?」までは判らない。そのためテレビ局は、万人向けの番組を作らざるを得ず、それが消費者離れを引き起こしている上、スポンサーも期待した広告効果を得られない、という悪循環を引き起こしているのではないだろうか。~中略~ 寡占化されたテレビ業界は、外食産業がファミリーレストランだけで構成されているようなものである。』と。

参考ブログ)

「マス」をターゲットにし続けるTVに未来はあるか? 

2009年3月25日 (水)

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/tv-fc71.html

 今週発売の東洋経済によると、まさに上記の指摘のとおり、単なる視聴率主義はスポンサー離れを引き起こしているようだ。いつまでも「マス」の視聴率のみを追いかけるテレビ業界に対し、日本アドバタイザーズ協会の小林専務理事はこう不満を漏らしている。「テレビには視聴率があるが、企業が求めているのはそういった数字ではない。広告を打った結果、来店率がどれだけ上がったとか、そういうデータが欲しいわけです。」

 さらには、大手スポンサーも、テレビ番組の品質劣化に業を煮やしたようだ。少し前の記事になるが、5月7日のニュースによると、視聴率に代わるテレビ番組評価として、「トヨタ自動車三井物産など国内大手26社が、テレビ番組を評価する「優良放送番組推進会議」(有馬朗人委員長)を立ち上げた。評価結果はネットで公表。今後も参加企業を募り、将来的には、一般市民の声も反映させる仕組みづくりを目指すという。」とのことだ。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/250668/

 しかし、かつて「子供に見せたくない番組」のNo.1であった人気テレビ番組『8時だョ!全員集合』が、時代を経てその価値が再評価されたように、必ずしもその時代の大人たちが”優良”とみなす番組が、真に優れた番組とは言い切れない。個人的には、番組の良し悪しをPTA的な指標で判断することは、あまり意味があることとは思われない。

 むしろ、少なくとも報道(情報番組含む)の情報操作や偏向報道を徹底的に糾弾するとともに、ビジネスライクに広告の費用対効果が弾き出せる仕組みを構築することで視聴率主義から脱却し、「マス」を対象としたテレビ番組から特定セグメントを狙った番組づくりを行うことが、テレビの質を上げるために有効な策なのではないだろうか。

 それを行わない限り、テレビの凋落に歯止めがかかることはない。以前のブログではこのように結んだ。

 「今後も万人向けの商品を提供し続けている限り、インターネットや携帯電話、テレビゲームその他の専門的なコンテンツに、市場を食われ続けることに歯止めがかかることはない」。

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