中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

「正義」が事実認識を曇らす危うさ。

 ついに、というかようやくというか、鳩山総務相が事実上更迭される形で辞任を表明した。日本郵政の西川社長再任にかかわる意見の対立を生み出した、もっとも大きな原因は言うまでもなく、いわゆる「かんぽの宿」売却問題だ。

 このブログで当初から指摘していた、「かんぽの宿」売却における事業譲渡と不動産売買との違いを、鳩山総務相はついに理解できなかったようだ。本日の日経新聞夕刊によると、鳩山総務相は「私は自分の信念を全部申し上げた」、「自分の信念を曲げたら男じゃない」と、基本的な事実認識を欠いたまま自己の主張を曲げることなく感情的なコメントに終始した。

 これに対して同誌によると、首相周辺からは「鳩山氏の言っていることは訳が分からない。もう駄目だ」、との話もあったようだ。事態を客観的に見ている者から見た、率直な感想であると言えよう。「正義のため」と思えば思うほど、事実を正しく認識することができなくなってしまうものか。今回の、日本郵政第三者委員会報告書に対し、何ら内容を精査することなく、「お手盛りだ」とと断じてしまう総務相に危うさを感じていたが、ここらが潮時だったと言える。

 加えて、鳩山総務相の認識欠如も問題だが、野党のレベルの低さは、さらに輪をかけてひどい。少し前のニュースだが、民主、社民、国民新の野党3党は、日本郵政西川善文社長に続き、保養・宿泊施設「かんぽの宿」を不当に安く売却しようとしたとして、同社の横山邦男専務と伊藤和博執行役を特別背任未遂罪などで東京地検に刑事告発したと言う。

 何度もう言うとおり、これは不動産売却ではなく事業譲渡という取引である。従業員の雇用をある程度保証しつつ、施設全部を一括して事業として売却する、その価額が109億円に落ちついた訳で、”不当に安く売却しようとした”という指摘は、的外れもはなはだしい。 彼らは本日、一様に麻生総理のリーダーシップの欠如を批判しているようだが、こんな無知な集団には、とても政権は任せられない。

日本郵政幹部を刑事告発=野党3党
6月8日16時28分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090608-00000088-jij-pol

 それにしてもNHK、関係者にコメントを求める際に、なぜか批判勢力の一人として加藤紘一のコメントを報道する。果たして彼のコメントは公共の電波に乗せるほどの価値があるのか?毎度のことながら、マスコミの悪意を感じずにはいられない。

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