地産地消?
『地産地消』とは、主に農産物について、地元で取れたモノを地元で消費しよう、という運動のこと。これは地域の生産者を経済的に潤すというメリットに加え、運送に伴うエネルギー節約につながるというフード・マイレージの考えに基づくエコ活動の一環としても推奨されている。
ところで、本日のニュースによると、企業城下町のいたるところで、農産物ではなく工業製品の”地産地消”的な動きが伝えられた。具体的には、三菱自動車の城下町においては三菱自動車を購入した町民に、先着200名で町から10万円のキャッシュバックが受け取れるというもの。マツダやソニーの関連メーカーが立地する企業城下町においても同様の動きが見られるという。
これら大手メーカーが地元から撤退すれば、その工場のみならず、部品メーカーなど関連メーカーも含め、地元経済や雇用や大きな影響をもたらす。地元としては何とかしたいとの思いからの措置であろうと思う。しかしNHKのニュースによると、大手メーカーの立場では、地元が購入を促進する動きをしてくれるのは有難いが、工場を国内に置き続けるかどうかは別問題だとそっけない。
確かに、地元のこうした行動は涙ぐましいものがある。しかし、これを税金を投入してまで行うのはいかがなものか?何せ大手メーカーが相手にしているのは世界市場である。日本自動車販売協会連合会が発表した2月の新車販売台数前年比は、ホンダが21.1%台、トヨタが32.0%台の落込みに対し、三菱自動車は50.5%超と突出した落込みを記録しているという。たかだか、地元が数十台買い支えたところで、どれだけの足しになるだろうか。それよりもむしろ、特定の重厚長大産業に依存した産業構造から脱却すべく、次なる産業を創出・育成することがむしろ大切ではないだろうか。
短期的な施策として心情的にわからないでもないが、行政も我々民間人も、競争力を強化するために中長期的に何をすべきか、真正面から考えて取り組んでいく必要があるだろう。
三菱車買うなら「10万円補助」に市民続々…岡山・総社
3月2日12時36分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090302-00000559-yom-bus_all
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