中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

次世代DVDの勝敗を決めたのは

次世代DVDについて、東芝はオリジナル規格であるHD-DVDから撤退との報道があり、はブルーレイ勝利が事実上確定した。(もっとも、東芝は「事業方針を検討中だが、決定した事実は無い」との生命を発表はしているが、もはや流れは止められまい。)http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080217/toshiba.htm

2/17付の日経新聞によると、

東芝は2003年に「HD」の基礎となる規格をNECと共同で提唱。基本特許を押さえ、機器販売で特許料収入を得る構想を描いた。一方のソニーは松下と早い段階から共同歩調をとり「BD」規格の採用をメーカーに呼びかけた」ことが明暗を分けたと分析している。これから市場を作り出してゆく、という時期には、今ある市場で利益の最大化を図るのではなく、市場そのものをいかに拡大してゆくかが重要である、というPLC(プロダクトライフサイクル)の原則がここでも証明された、と言える。

また、東芝陣営からは「技術では負けていない」とのコメントもあったがようだが、技術の優劣が、市場を制する十分条件ではない、ということも見逃せない事実だ。これは過去にβ(ベータ)がVHSに画質的には優れていたにもかかわらず、敗北を喫したこととも相通ずる。逆に、iPODがこれだけ支持されているは、必ずしも(狭義の)技術で他社に優れていたわけではなく、むしろデザインやインターフェイス、PCとの融和などのソフト面での優位性が重要であることが大きい。いまだ東芝は、旧態依然の「モノづくり」の発想から抜け出しきれていなかった、ということか。

個人的な所感だが、次世代DVDの勝敗を決した要因として「ネーミング」があげられるのではないだろうか。”ブルーレイ”は響きがカッコいい。いかにも次世代、という感じだ。一方、HD-DVDは、そもそもどう読んでよいのかわかない。調べてみたら、そのままエイチディーディブーディと読むらしい。言いにくい!またHDが何の略かもよくわからない。一般的にはHDはハードディスクの略だが、そうではないらしい。High Definition(高解像度)、とのこと。これまたわかりにくい!