立場が逆になってわかる、専門家の言いたいこと/相談者の知りたいこと
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母がリハビリ病院に転院して約2週間が経過しました。
転院先の医師や看護師らが、おおむね母の現在の状況を把握したことから、先日私たち家族との面談を設けることとなりました。
普段は経営の専門家(中小企業診断士)として相談を受ける側でしたが、今回の患者の家族として医療・介護の専門家に相談する側に回りました。
相談される側(専門家)から相談する側(素人)と立場が逆になることで、いろんなことが見えてきました。
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専門用語を使われると戸惑ってしまう。
医師と看護師、さらにはリハビリの専門家の4名が揃ったところで看護師さんがひとこと。「それでは、カンファレンスを始めます。」
”カンファレンス”というと、自分のイメージでは国際会議のようなイベントのことなので少々びっくりしました。
リハビリ病院では、患者やその家族との情報共有・打ち合わせの場をカンファレンスというらしいです。
さらに専門用語は続きます。
「それでは、まずはPT担当の**より説明させていただきます。」
といった感じで、PT、OT、STの用語が飛び出しました。
ちなみにPTとは、理学療法 (Physical Therapy:PT)のこと。
身体の機能回復に加え、基本的な動作(起き上がり・座位・立位・歩行等)の運動を指導したり、介助方法の指導を行うことを言います。
OTとは、作業療法 (Occupational Therapy:OT)のこと。
疾病や事故で心身に障害が生じた方々に、作業活動などを用いて訓練を行い、日常生活や社会的な自立を援助する、リハビリテーション医療の一専門分野です。
STとは、言語聴覚療法 (Speech Therapy:ST) のこと。
主に脳卒中の後遺症による高次脳機能障害、構音障害(うまく話せない)、失語症(言葉が出てこない)、摂食・嚥下障害(食べたり飲んだりすることがうまくできない)のある患者さんを中心に各種検査ならびに訓練を行うことを言うそうです。
用語解説は、下記のサイトを参考とさせていただきました。
鹿児島市立病院 リハビリテーション技術科 【PT・OT・ST】
このように、(医療機関に限らず)特定の業界に身を置いている人たちは、つい自分たちの業界用語・専門用語を誰もが知っている言葉として使ってしまいがちです。
しかし、一般の方に対して説明する際は、「聞き手がどの程度の知識レベルか?」、「相手はこの言葉の正確な定義を知っているか?」を十分に踏まえたうえで、言葉を選んだり解説を加えたりしていただくことが、とても重要だと感じました。
相談する側が知りたいこととされる側が伝えたいことは違う。
医療機関の専門家が伝えたいことと患者家族側が知りたいことの食い違いも、実感しました。
お医者さんは医学的見地から、現在の患者の病状や行っている医療行為の内容、その妥当性について事細かに説明していただけます。
しかし患者家族側は医学の専門家ではないので、「要するにどういうこと?」ということをかいつまんで説明して欲しいと感じるものなのです。
またリハビリ担当の療法士さんからは、現在の病状や身体等の回復具合について、詳しく説明いただきましたが、これらは日々見舞いに行く中で、だいたい把握できていること。
それよりも患者家族側としては、「今までの病状や回復度合いから見て、今後どこまで回復するの?」ということが知りたいのです。
図にしてみるとこんな感じ。
もちろん今後どうなるのかは、年齢や本人の体質、回復への意欲などで異なるもの。
簡単に断定できるものではありません。
しかし患者家族側とすれば、医療の専門家でありまた様々な患者を診てきた中で、「おおよそこんな感じになりそう、というのはある程度予測がつくのでは?」と感じてしまいます。
といったように、立場が逆になると「専門家が言いたいこと」と「相談者が知りたいこと」はビミョーに異なる、というのを今回実感しました。
これからは一層、「専門家が言いたいこと」ではなく「相談者が知りたいこと」に応えられるよう、相談する側の気持ちを汲み取り言葉を選んでいきたいと思います!
それでは!
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