中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

山田正彦農相に公人としての自覚はあるか?

 6月初にして、6月最後のブログ。仕事がなんだかんだ忙しかったことに加え、ちょっとしたことはTwittrでつぶやく習慣ができたことも影響しているのだろう。

 さて、今回の話題も宮崎県で発生した「口蹄疫」問題。

 本日、ついに感染、疑似感染およびワクチン接種の牛豚すべての殺処分が完了したという。その数、実に27万頭余!

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100630-00000153-jij-soci

 とくに6月に入っては猛暑、そして豪雨に襲われる中、関係者の方々には、本当に頭の下がる思いである。

 そして、疑似感染は6月19日以降、11日連続で疑似感染すら発生させていない。これもひとえに「他県には絶対に波及させない」という強い思いで防疫に努めている宮崎県民の方々のがんばりの結果である。

 そんな宮崎県民に冷や水を浴びせるような言葉が、国家の中央から聞こえてきた。山田正彦農相は29日の閣議後の記者会見で、「いつ飛び火するか分からず心配だ。あと1、2件は出そうな気がしている」、と述べたという。

『「あと1、2件は出そう」 山田農相が会見 口蹄疫

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/econpolicy/409620/

 しかし、山田農相は何らかの根拠に基づいて、こうした言葉を述べているわけではない。単なる推測だ。記事においても、「ただ、県内などで具体的に発生の可能性が高い地域があるわけではないとしている。」とある。

 根拠がないにもかかわらず、単なる自分の主観で「あと1、2件は出そうな気がしている」と記者会見で述べるという行為は、公人、しかも農政の長の立場にあるものの言葉としては、いかにも不適切だ。

 余計な風評被害をもたらす恐れがあるうえ、必死で防疫に努めている宮崎県民に対する侮辱ともとれる。

 ここ最近、西都市宮崎市、そして遠く離れた都城市になぜ飛び火したのか?その結論はおおむね出てきている。具体的には、鳩山政権が感染拡大のため決定した、発生地域から半径10km~20kmの区域を家畜の空白地帯とするため、早期出荷を急がせたことにある。

 早期出荷を行うためには、必ず処分場に持ち込む必要がある。少なくとも、西都市の件は、こうしたトラックの往来増加によって、消毒ポイントをくぐりぬけてしまったものと考えられている。県内最大の処分場がある都城市で、飛び火的に発生したのも、同様の原因からであると考えるのが自然だろう(調査結果を待つ必要はあるが)。

 しかも、空白地帯を作るための「早期出荷」は、処分が追い付かないうえ、結果的に飛び火したことから意味がないと結論付けられ、6月5日に篠原孝農林水産副大臣が方針を撤回している。

「牛の早期出荷中止も、家畜空白地帯づくり見直し」

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100616-OYS1T00735.htm

 こうした事実も踏まえると、山田正彦農相の「あと1、2件は出そう」という発言は、一体何の根拠があっての言葉なのか、まったく図りかねる。

 彼は以前も、エース級種雄牛「忠富士」の感染が確認されたとき、「ほかの5頭も感染しているに違いない、直ちに殺せ」と根拠なく発言している(事実は、他の5頭は陰性)。

 ワクチン接種を「断腸の思い」で涙ながらに受け入れた東国原知事と、「種牛はさっさと殺せ」、「あと1、2件は出そう」と根拠なく発言する民主党山田正彦農林水産大臣(さらにい言えば、辞任後まったく表舞台に出てこない赤松広隆元農相)。はたしてどちらが国民、県民のことを心底から心配しているのか、宮崎県民はしっかりと感じ取っている。

『知事支持率、トップは東国原氏89% 朝日新聞世論調査』

http://www.asahi.com/politics/update/0626/TKY201006260338.html

 「言いたいことは山ほどあるが、今は口蹄疫を終息させることが第一」とTwitterで述べている東国原知事

 口蹄疫終息後、東国原知事の言う「山ほどある言いたいこと」とは何なのか、その内容を注目する意味でも、1日も早い口蹄疫の収束を願うばかりである。

↓「いよっ!その通り!」と思ったら、下記へのクリックお願いします。

拍手する

↓「なかなか鋭いね!」と思ったら、下記にもクリックを!

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

中小企業診断士えんさん』の公式サイトはこちら

http://www.kuon-manage.jp