中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

多様性の確保

たびたびここでも話題にしている、NHKの番組「プロフェッショナル仕事の流儀」。大分前になるが、青森のりんご農家で無農薬栽培を成功させた人が出演していた。無農薬栽培というと、常識的には完全に無視から隔離した無菌室のようなところでの栽培を想像してしまう。ところが実態はそのまったく逆で、多種多様な生物が生息する環境を作り、上手に食物連鎖の仕組みを機能させることで害虫が減り、無農薬栽培が成功したという。

別の話で、大型の魚などを食べると、その魚の体内に溜まった重金属を摂取することになるし、野菜を食べると農薬が体内に蓄積する。食物連鎖の最終地点である人間には、とかくこうした毒物が溜まりやすい構造となっている。これをいかに回避するか?ある専門化の見解によると、「多種多様な食物をバランスよく食せばよい」そうだ(昔買ったCD付きの英会話の本で、そうした話がなされていた)。日本でも、「健康のためには1日30種類の食物を摂取せよ」、なんて話をよく聞くが、何事もバランス、ということは普遍的な真実といえるだろう。

さて、企業経営の話。ご存知のとおり私は中小企業診断士だが、なぜ中小企業を応援することを、人生の使命に据えたか?、そのひとつの答えが、日本社会における多様性を確保し続けたい、と言うこと心の奥底であるのは間違いない。大企業ばかりじゃつまらない。大小さまざまに、バラエティに富んだ企業が存在してこそ、日本社会もダイナミズムを持ち続けられる、その思いを胸に秘めつつ、今後も中小企業の経営支援に邁進してゆきたい。