中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

経営ノウハウは誰のもの?

最近、経営書を読んで時々目にするのは、ある経営ノウハウを上手く表現した用語を、その著者もしくはコンサルティング会社が商標登録している、という事実である。

例を挙げれば、

「女性起業塾」 ・・・株式会社トレンダーズ

「戦略BASiCS」 ・・・ ストラテジー&タクティクス株式会社

あと、『「3年目社員」が辞める会社 辞めない会社』も、この本での上手い言い回しの造語(といっても普通名詞の組み合わせ)が商標登録されていた記憶がある。どのような用語かまでは忘れたが。また、顧客の購買心理の動向をあらわす『AIDMAの法則』のネット版、『AISASの法則』も、電通は提唱したのみならず、商法登録をちゃっかりしたらしい。

立ち止まって考える。こうした考え方、用語を生み出した著者の方々には充分敬意を払う。そのクリエイティブさに何らいちゃもんをつけるつもりはない。

しかし、である。映画『赤ひげ』で赤ひげは言った「医術は誰のものでもない、天下のものだ。」、と。経営ノウハウも天下のものではないか。自社でその言葉を使用する権利を独占するより、広く使用されることで世の役に立ち、その用語・考え方の創作者として後世に感謝されるほうが、素晴らしいことではないか、と私は思う。