成熟社会こそ、「引き算経営」を!
連日のように報道される景気悪化のニュース。そうした中でもしっかり業績を伸ばしている企業はある。ユニクロやマクドナルドは、その代表と言えるが、彼らの躍進の要因は決して「安さ」だけではない。成熟した日本の消費者には、「安かろう、悪かろう」は通じない。「ヒートテック」に代表されるように、しっかりとした品質と適正価格、そのバランスが最適であることが、日本の消費者の心をグッとつかむことが出来ると言える。
度々このブログで取り上げているネットブック(ミニノート)も、その代表と言えるだろう。メーカーが売りたいのは、機能満載の高額PC、しかし一般消費者がノートPCに求めるのは、必要最小限の機能と手軽な価格であった。
昨年、ハイビジョン戦争でHD‐DVD規格を駆逐したBlu-ray陣営。しかし、その割りにDVDに取って代わるほどの勢いがあるとは言い難い。昨年の北京オリンピック特需も期待したほどでなく、下半期の世界的な景気の悪化もあって、年末商戦は飲み悩んだ。しかし私が考えるところでは、Blu-rayの普及が伸び悩んでいるのは、上記に書いたように、メーカーが高く売りたいがために機能をゴテゴテと付けすぎているからではないだろうか?
基本的に私は、TV番組を録画してまでも見たいとは思わない。今でもDVDプレーヤーは再生専用だ。したがって、早く手ごろな値段で再生専用のBlu-rayプレーヤーはないものか、と待ちわびていた。しかし大手家電メーカーが発売するのは、専ら録画機能もつき、大容量HDDもついた十万円超の製品ばかり。
先週の「日経ビジネス」の特集は奇しくも「引き算経営」。特集の中で非常に興味深かったのは、ジャパネットたかたの高田社長のインタビュー。高田社長の洞察によると、「一般の方はハードディスクに録画したら、大半の人一回見たら消去する。消去はしなくてもハードディスクに保管し続ければよいところを、敢えて高画質のBlu-rayディスクに保存する、なんて人はどれ位いるのか。私がBlu-rayレコーダーをおススメすることに気が引けるのは、メーカーの押し付けによる機能によって消費者が高い買い物をさせられている気がするからだ」、と。
常に消費者、生活者目線で製品の価値を判断し、視聴者の心を捉え続けている高田社長の目は、正鵠を射ている。TV番組をとりあえず録画しておきたい一般消費者、私のように市販のBlu-rayディスクの映画を見たい映画マニア、どちらにもBlu-ray録画機能は大して必要がない。前者は、大容量のHDD付きDVDレコーダーで事足りるし、後者は録画機能のないプレーヤーで事足りる。この事実に目をそらし、いつまでも機能満載の高額製品を売り続けるようでは、Blu-rayの本格普及も、家電メーカー復活もありえないだろう。
ちなみに、私は近日中にBlu-rayプレーヤーを購入する予定。候補はSONYのブルーレイディスクプレーヤー 『BDP-S350』。AMAZONで3.5万円弱で購入できるので、かなりお値打ちと見て良いだろう。後は、いかに映画を見る時間を捻出するか。そもそも未見のDVDが自分の部屋に30本近くある。まずはそれを早く見るのが先決ではあるが・・・。
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