中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

仕込み8割

料理の世界では「仕込み8割」という言葉がある。成功を導き出すには準備が一番大切だ、という意味である。登山家や探検家も、「いかに冒険しないか」が、事の成否を分ける、そのための事前準備の重要性を説いている。

さて、本日大阪国際女子マラソン、マラソン初体験の福士加代子選手は、前半は大会記録か、というハイペースで走ったものの後半大失速、35キロ過ぎからはジョギングペース、最後はふらつき転倒しながらも、2時間40分を過ぎ19位で何とか完走した。最後は足も止まってしまい、体力は尽き果てているにもかかわらず、気力だけで完走、その壮絶な姿は大いに心を揺さぶった。

しかし、である。事前のスポーツ紙を読んでいると、そもそも彼女は練習の中で一日30キロは走っても、40キロを超える練習はしていなかったという。彼女は1万メートル走では国内で敵なしの存在。彼女も、そしてコーチ陣も、「そのスピードを活かしさえすれば、マラソンでも何とかなる」という思惑だったかもしれない。しかし42.195kmを走るマラソンは、さすがに手ごわかった。彼女はまだマラソンを走りきる体をつくり上げていなかったのだ。

スタートラインに立つとき、実は勝負は決している。そんな言葉を改めて思い起こさせる、本日のレースであった。