中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

Win-Winの関係Ⅱ

このブログのいくつかの記事で、「自分さえ良ければよい」よりも「Win-Win」の関係を築くことこそが、真の成功へと導く、といった趣旨のことを書いてきた。この考えに派生して、「何でもかんでも商標登録」の動きや「ネーミングライツ」を通じた独占についても、疑問を呈してきた。

最近、飲食業の経営関連書籍を読んでいるが、またここでも「Win-Win」の関係を築き、より多くの人々に繁栄をもたらす格好の事例を知ることが出来た。それは、やや古いが平成15年に発行された『飲食店[激変に勝つ!]経営法(榊芳生著)』に書いてあった、鹿児島県串木野市のマグロ料理の事例である。この本によると、マグロ漁師を経てマグロ料理店を始めた店主は、マグロを知り尽くし、通常は廃棄されるようなあらゆる端材をも活用して、様々なマグロ創作料理を開発し、好評を得ているとのことだ。この店主は、あるときマグロからだしをとった「まぐろラーメン」を開発、これも店のヒット商品となった訳だが、彼がすごいことには、この秘伝スープのレシピを周辺のラーメン店に公表してしまったのである。鹿児島県の片隅で、自分だけが栄えていても高が知れている、レシピ公開を通じて、彼は「まぐろラーメン」を串木野市の名物に育て上げよう、と考えたのである。

コンピュータのソフトウェアにおいて、「オープンソース」という考え方があるが、まさにこの事例は、「ラーメン界のオープンソースや~」(彦馬呂風に)。