「全面非公開」に追い込まれたDeNAの情報サイトWELQ(ウェルク)に欠けていたものは!?
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DeNAが運営する医療・健康系情報サイト「WELQ(ウェルク)」が、『医療情報に関する記事の信憑性について多数のご意見が寄せられたことを受け、検証および精査した結果、本日11月29日(火)21時をもって全ての記事を非公開』としたことを発表しました。
私が知る限り、同サイトが全面非公開に追い込まれるまでのきっかけをつくったのは、永江一石氏のこのブログ。
11月24日(木)に投稿されたこのブログから、立て続けにウェルク関連の告発ブログを5本投稿、SNSで拡散して多くの人が知るところとなりました。
ネット界だけの動きだったら、DeNA社もダンマリを決めつけ、事が収まるのをじっと待っていたかもしれません。
しかし、永江一石氏の初めの投稿からわずか5日間で「全面非公開」に踏み切ったのは、東京都の動きでした。
永江一石氏のブログでWELQ(ウェルク)の存在を知った都議会議員のおときた駿氏が、東京都の福祉保健局健康安全部に情報を提供。
永江さんが問題提起をしている医学デマサイト「Welq(ウェルク)」について、都の健康安全部と相談しました。私が指摘するまでその存在を認識されていなかったのですが、すぐに調べて強い危機感を持って対応を検討して下さっています。方向性が見えたら、追ってご報告させていただきます。 https://t.co/d7AA1fCz9R
— おときた駿(東京都議会議員 /北区選出) (@otokita) 2016年11月28日
この情報を受け、東京都の福祉保健局健康安全部がDeNA社に呼び出しを通知したところで、同社は観念し「全面非公開」の対応を取ったという経緯のようです。
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今回の一連のDeNA社の動きをみて感じるのは、非常に優れた「ビジネスモデル」を構築する一方で、企業として最も重要な「理念」が欠けていたということです。
企業理念とビジネスモデルは、いわば経営の両輪。
どちらかが欠けていても、持続的な経営は成り立ちえません。
理念があってもビジネスモデルが不完全であれば、継続的に売上・利益を上げられません。
一方で、ビジネスモデルが優れていても、企業理念が欠けていたら、今回のDeNA社の『WELQ(ウェルク)』のように、何らかの形で社会的にひんしゅくを買ってしまいます。
ちなみに、WELQ(ウェルク)のビジネスモデルというのは、
- クラウドソーシングを活用してライターに大量の記事を書かせ、
- DeNAの社員が検索エンジンに有利になるよう指導し(文字数やキーワード選定)、
- かつGoogleにコピー記事と判定されないよう巧みにリライトし、
- 検索エンジン上の上位表示によってPV(ページビュー)を稼ぎ、広告収入を得る。
というもの。
(参考)
ここに、「医学的に正確な記事を提供する」ためのステップを踏むとコストがかかってしまうため、DeNA社は敢えて医学的にも不確かな記事を、そのまま放置していたのです。
おそらく、「医学的に正確な情報提供」を行うためのチェック機能を設けると、コスト的に合わなくなるため、WELQ(ウェルク)が再開されることはないだろう、と私は予想しています。
いずれにしても、「理念なきビジネスモデル」では企業経営(今回は一事業)は成り立たない、ことを経営者・起業家は肝に銘じるべきですね!!
それでは!
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