意思決定プロセスの変革なくして成長なし!~シャープとDeNAに学ぶ~
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経営不振が続くシャープ。
リストラをいくら重ねても、「稼ぐ事業」がなければ経営再建の道筋は見えてきません。そんな中、スマートフォンなどに使う中小型パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)が、シャープに対して液晶パネル事業の買収を提案するというニュースが飛び込んできました。
日経の記事によると、「買収・統合によって中小型液晶パネルの世界シェアが首位になり、競争優位が築かれる」としています。
一方でシャープやシャープの経営再建に参画している産業革新機構は、台湾の鴻海精密工業(ほんはいせいみつこうぎょう)からのアプローチには難色を示しているらしく、ジャパンディスプレイ(JDI)と統合した形での「日の丸液晶連合」を模索しているとのこと。
仮にジャパンディスプレイと経営統合し、一時的には世界シェア1位になったとしても、そこから先は「経営力」がモノをいう世界。従来の意思決定プロセスや人事制度を温存したまま、世界シェア1位の座を確保し続けられるかは、はなはだ疑問が残ります。
海外資本を避ける理由としてよく言われるのが、「人材や技術が海外企業に流出する」というもの。しかし度重なるリストラで、そのうち何割かの人材は確実に海外企業に流れているはず。今さら、会社単位で外国資本を避けることは、あまり意味がないものと思われます。
人気ブロガーちきりんは2012年4月時点で、日本人は開発に特化して、経営は他国に任せよう!と提案しています。
それにしても、この記事から3年半経って、未だシャープは決断せず。
時間だけが無為に過ぎ去り経営がジリジリ悪化しているという、このスピード感(のなさ)は驚くべき(あきれ果てる)ものがあります。
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一方で、元気な企業の代表格であるDeNA(ディーエヌエー)。
最近創業者の南場智子さんが講演会で、意思決定プロセスの抜本的な改革を行っていると話していました。キーワードは「Permissionless」。すなわち「許可は得るな。ユーザーに審判を仰げ」というものです。
以下、講演録の中から引用。
「新しいサービスの作り方って、普通はまず企画を出して、その企画がよくできていたら、経営会議で吟味する。そこでは、いろんなことを議論するんです。『どれぐらいの事業規模になるの?』『大体、誰がやるの』『リソースあるの?』『競合のサービスと一緒じゃん』とか、いろんなダメ出しくらうわけですよ」。
経営陣が高いところからダメ出しをして若手のチャレンジの芽を摘むのではなく、”Permissionless”で商品・サービスをいち早く市場に投入し、ユーザーの声を拾い上げながら事業を磨き上げていく。
「苦境から脱することができない企業」と「伸びる企業」の差は、”意思決定力”の差。
そんなことを強く感じた 2企業を巡るニュースでした。
それでは!
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