民主党は本当に大敗したのか?
7月11日夜、選挙番組をはしごしてみていて気になったことがあった。
それは、私が投票した選挙区である岐阜県の議員定数が2名なのに対し、三重県が1名である、ということだ。
気になったので、岐阜県・三重県の人口をウィキペデイアで調べてみたら、岐阜県は208万人に対し三重県は185万人と、その差は1割程度だ。
さらに気になって調べてみたら、栃木県の人口は201万人なのに1人区。わずか3万人の人口差で、岐阜県は2名の国会議員の送り込めるに対し、ほとんど人口の変わらない栃木県は1名しか送り込めない。
ちなみに現在、一番人口の少ない県は鳥取県で59万人、お隣の島根県は72万人。二つの県を合わせて約130万人と、2県を合わせても栃木県よりも遥かに少ないのに2名の国会議員を送り込める。
いわゆる「1票の格差」を改めて実感した訳だが、それが今回吉と出たのが、自民党。1人区で圧勝した自民党は、得票数では民主党を下回っていたにもかかわらず(選挙区において自民33%に対し、民主39%)、議席数では民主を上回る結果となった(選挙区において自民38議席、民主29議席)。
今回、民主党が「敗北」したと報じられるものの、自民党は決して喜べる数字ではない。
参考) http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51417231.html
こんな結果になるくらいなら、なぜ民主党はこんな状態の選挙制度を放置しておいたのか?
それは前回の衆議院選挙で、民主党は自民党以上においしい思いをしてきたからである。
昨年の衆議院選挙、民主党は300を超える議席数を獲得し、まさに「圧勝」した。しかし選挙区での得票率をみると47.4%にもかかわらず、議席占有率は7割を超え(73.7%)、一方自民党は「大敗」と報じられたものの38.6%の得票率、しかし議席占有率は21.3%にとどまった。
参考)http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51238905.html
中日の落合博満監督は、「10対0でも1対0でも勝ちは勝ち」とよく言うが、ある試合で大負けしても僅差で勝てば取り戻せる。
事実、2008年の成績は失点が得点を上回っていたにもかかわらず(得点535、失点556)、貯金3でシーズンを終えた。
野球の場合は、ルールの性質上「采配の妙」と納得できるが、選挙は国民1人ひとりの「民意」を正しく反映するのがあるべき姿だ。
そう考えると、前回の民主党の歴史的な大勝も、今回の民主党の敗北(なかには「大敗」という表現も目にする)も、歪んだ選挙制度がもたらした結果である。
したがって、民主党執行部も県連も、「首相が消費税を言い出したから・・・」と未練がましいことをいうのではなく、「民意」が正しく反映される選挙制度の構築に目を向けるべきではないだろうか?
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