中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

SONYは日本モノづくりの代表選手!

 先日書いたブログの続き。タイトルはもちろん皮肉をこめて。

参考ブログ)

2010年2月23日 (火) 『ものつくり敗戦』を地で行くSONYに未来はあるか?

http://noir-kuon.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/sony-4a4f.html

 昨日、名古屋市内で開催されたアマチュアコンサートを、SONYのデジカメである『Cybershot DSC-HX1』を用いて動画撮影した。

 

 動画サイズは1,440×1,080ドット。フルハイビジョンの一歩手前といったところだ。帰宅後、すぐさまHDMI端子をつないで液晶テレビにつないだら、その画像の精細さにビックリ!半年ほど前に4万円弱で購入したが、これさえあれば、もはやビデオカメラは要らない。

 そんなSONYが、本年さらに驚くべきデジカメを発表した。今度はコンパクトデジカメサイズで、フルハイビジョンを実現だ。

 これにはAV(いかがわしくない方)ライターの小寺信良氏もビックリ。「いやいや、エラい時代になったものである。」という文章でコラムを締めくくっている。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20100317_355099.html

 さすが、単体機での品質の高さにはビックリ。”ものづくり大国”日本の代表選手、SONYならではの製品である。

 しかし、SONYが強みを発揮するは、単体機まで。他との連携をまったく考慮しないダメダメ製品(敢えて言う)を発売してしまうのも、ものづくり大国”日本の代表選手、SONYならではである。

 前回のブログでも紹介したとおり、一眼デジカメの新たなトレンドになりつつある”ミラーレス一眼”分野でのSONYの新製品は、マウント系が何と独自規格というから飽きれてしまう。

 一眼デジカメのよさは、(面倒くさい点でもあるが)用途に合せてレンズを交換できること。しかも、それがメーカーを問わず交換できるオープンさである。たとえば、キヤノンの一眼レフを買ったら、レンズはキヤノン性でも良いし、シグマやタムロンなどレンズ専用メーカーの製品を選択するのもありだ。

 ちなみに私は、フォーサーズ(撮像素子が4分の3と言う意味)というマウント系のデジタル一眼(E-620)を所有しているが、この規格にはオリンパスのみならず、パナソニックとシグマが参画しており、メーカーを超えてレンズ選びが可能だ。

http://www.four-thirds.org/jp/

 ちなみに最近ブームになっているのが、さらに小型のマウント系であるマイクロフォーサーズパナソニックが”女流一眼”のキャッチフレーズで売り出したLUMIX G1がヒット、オリンパス宮崎あおいを起用してのPENシリーズを発売し、女性層の開拓もあって、「コンデジは物足りないが、一眼は敷居が高い」といった層に対して、新たな市場を形成しつつある。

 このようなヒットの後追いで、SONYが”ミラーレス一眼”の新製品の発売を、本年中に予定しており、それが独自規格であることを、前回のブログで批判した。

 今回なぜ、またこの話題を取り上げたかと言うと、この新製品の開発者インタビューを見かけ、案の定「日本のものづくり」の典型的な心情を垣間見ることが出来たからだ。

ソニーの“ミラーレス一眼”から見えてきたもの - デジカメWatch

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/trend/20100329_357074.html

 記事によると、イメージング第3事業事業部長の勝本徹氏はAPS-Cサイズのセンサーを採用した理由について、「何よりも画質を重視した。一眼レフと同等の高画質を実現するには、同等サイズのセンサーを用いる必要がある。またボディサイズはマイクロフォーサーズとほぼ同じレベルを達成できる」と話した、とのこと。

 要するに、マイクロフォーサーズよりも「画質が良い」ことを売りにしたい、ということ。相も変わらずの、”品質重視”、”スペック重視” である。

 この発言を受けて、このコラムの筆者(本多雅一)は、

 「実際、APS-Cでもフォーサーズでも、ボディサイズに決定的な違いは出ないだろう。しかしレンズはそうはいかない。~中略~ ミラーレスシステムの長所である軽量・コンパクトという特徴を犠牲にしてまでAPS-Cサイズにこだわることに対して、消費者がどうジャッジを下すかは予想しづらい。 」と、訝しく思っている。

 これに対して勝本氏は、「もちろん、それは判っている。それでもAPS-Cサイズのセンサーを使う事で画質を高め、実効感度を上げて撮影領域を広げることの方が重要だと思う」と、どんな質問の設定にも意見のブレはなかった、とのこと。

 どこまで行っても、”作り手本位”の発想である。果たして、一体どれだけの人が、マイクロフォーサーズの画質に不満を持つほど目が肥えて、かつ「ボディは一眼ほど大きいのはイヤ」と言うであろう?

 ましてや、レンズが結果的に大きくなってしまうのであれば、そんな層はデジタル一眼に流れてしまうのではないか?この製品は動画にも力を入れている、ということだが、それならパナソニックのGH1や、キヤノンのKiss X4など、魅力ある製品がひしめいている。

 このように、SONYが発売を予定しているミラーレス一眼は、コンデジからの移行組にとっては、オリンパスのPENシリーズやパナソニックのGシリーズほどの魅力はなく、かつ動画も撮れるデジタル一眼レフとして、すでにCANONのKISS X4という強力なライバルあるがいる中で、 決定的な強みを見出しにくい。

 なぜ、このような製品をSONYが作ってしまうのかというと、SONYはライバルは見ているものの、顧客を見ていないからである。その点、パナソニックの顧客視点はニクラシイほど上手い。このCMのように・・・。

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