中小企業診断士えんさんの視点!

岐阜県を中心に活動している中小企業診断士のえんさんこと遠藤久志が、独自の視点で世相・経営・マーケッティングの本質に迫ります!

「酒井法子事件」は”芸能人村”から語るな。

 土曜日の夜、逮捕状が請求されていた酒井法子容疑者が出頭した。覚せい剤を巡る芸能人逮捕の事件は、過去に枚挙の暇がないが、単に”清純派”アイドルの逮捕という以上に、逮捕に至るまでの彼女のとった行動の狡猾さ・悪質さから、特筆すべき事件と言える。

 これを受けてビクターエンタテインメントは、9月16日発売のベスト版の発売を中止とするのみならず、過去に発売したCDについても店頭から回収、店頭からの商品回収、関連楽曲の配信の停止も決定を発表した。同社は、「こうした反社会的行為は決して許されるものではなく、弊社としても事の重大さを十分認識し、厳しく対処をしてまいります」とコメントした。日曜日にもかかわらず、翌日にこうした迅速な発表を行った同社のこの決定は、英断と言って良いだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090810-00000000-oric-ent

 彼女の取った行動を見ると、一貫して「あわよくば逃げ切りたい。」という意志が明確にうかがえる。何といっても、事件発覚のきっかけとなった渋谷区の路上において、警察の任意同行に頑として応じなかったことは、彼女のしたたかさの現れと言って良い。

 確かに任意同行であれば、それに応じる義務はない。しかし、普段警察と縁がない市井の人間は、警察の求めを強固に断るという発想は持ち合わせていない。過去の芸能人逮捕において、任意動向に応じなかったという例は、少なくとも私は記憶がない。

 夫の高相祐一容疑者が現行犯逮捕された3日未明から行方不明になった理由について、彼女は「気が動転したから」と供述しているが、これも怪しい。最終的には、物的証拠とDNA鑑定によって彼女の覚せい剤所持の容疑持が確定的となり、逮捕状が請求されたことに観念して出頭した訳だが、6日間の逃走によって見事に尿検査の結果は陰性であった。

 逮捕直後の8日夜に、自宅マンションに覚せい剤を隠し持っていたとする逮捕容疑について彼女は、「詳しく覚えていませんが、部屋にあったとすればその通り間違いありません」と、あいまいな供述をしていたという。もしDNA鑑定といった確定的な証拠が出ていなかったとしたら、取調べでもシラを切り通したのではないかと想像される。

 逮捕直後のTV番組にて女優の渡辺えり子は、「どうして彼女が計算高いのなら、なぜ逮捕につながる重要な証拠を、自宅に置いたままにしておいたのか?」と、彼女にそこまでの計算高さはない、と言いたげなコメントをしていたが、これも十分説明がつく。逮捕につながる重要な証拠を、これから警察と会いに行くのに持ち出す馬鹿はおるまい。

 また、せっかく警察の任意同行を徹底的な拒絶で逃げ切ったにもかかわらず、自宅に戻れば警察と接触するリスクもある。これらを十分に考慮に入れたからこそ、自宅に重要な証拠となる覚せい剤の吸引器具を置いたまま、逃走を図ったものと考えられる。

 逮捕の第一報を報じたTBSの番組において、安住アナは「酒井容疑者」と呼ぶのをためらっているニュアンスが強く感じられた上、女優の渡辺えり子は彼女に対する同情する気持ちを隠せないような情緒的なコメントを連発していた。

 また、直接ワイドショーなどをチェックしたわけではないが、所属事務所の後輩であるカンニング竹山は、「アッコにおまかせ!」で「僕にとってはマンモスかなピー」と、のりピー語のギャグで会場をシラケさせ、司会の和田アキ子にたしなめる始末。「さらに、フジテレビ「サキヨミLIVE」で、竹田圭吾Newsweek日本語版編集長)は、「清純派は清純派でいてほしい、と誰もが思うが、そうしたことが彼女を追い込んだ」といった同情的なコメントを発しているという。

 しかし前述したように、酒井法子容疑者は、今まで発覚した芸能人逮捕劇に比べ、格段に狡猾で、計算高く、悪質であるといえる。これらは、あくまで刑事事件してテレビで放映すべきで、断じて”芸能人村”からお仲間タレントが発言すべき話題ではない。

 サンミュージックの相沢正久社長は9日の記者会見において、酒井容疑者が起訴されて有罪判決を受けた場合、「当然として解雇も含め、(結論を)出さないといけないと思う」とのコメントを発表した。しかし、彼女の犯した罪とその後の行動、さらには社会的影響力を踏まえると、ビクターのような迅速な判断を求められるだろう。

  酒井法子容疑者が出頭する日の午前、河村建夫官房長官は記者会見で、「特に若い人に広がりつつあることに注意しないといけない。政府としてもこの対策に真剣に取り組む必要がある」と述べ、若者を対象とした覚せい剤対策を強化する考えを明らかにした。

 また河村官房長官は、「芸能界はかねてから薬物の問題が指摘され、それが明るみに出つつあるということだ。徹底的に洗って根を絶つ必要がある」と強調したという。彼女の逮捕をきっかけに、芋づる式に逮捕者が出ることを、ぜひ期待したいものである。

若者の覚せい剤対策強化=河村官房長官

8月8日13時50分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090808-00000056-jij-pol

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